日本応用数理学会 2010年度 年会
JANT オーガナイズドセッション

講演詳細
9:40 ~ 10:20 ○小松亨(東京理科大学)
特別講演: 生成的多項式の数論的実用について
講演内容:
生成的多項式とは、ある良い性質を持つ代数方程式系であり、近年さまざまな構成法が考案され実例が得られている。本講演では、生成的多項式の数論的性質を解明し、代数体の数論の分析に活用する方法を紹介する。
10:30 ~ 10:50 ○原田諭(首都大学東京), 和田祐一(早稲田中・高等学校), 内山成憲(首都大学東京), 徳永浩雄(首都大学東京)
代数曲面暗号(ASC04)に対する改良リダクション攻撃法の実装について
講演内容:
量子計算機を用いた攻撃に耐性があると期待されている暗号方式が、現在盛んに研究されている。その中の一つに秋山と後藤によって提案された代数曲面暗号がある。これは、代数曲面上のセクションを求める問題の計算量的困難性に基づく方式である。代数曲面暗号の実現方式の一つである ASC04 と呼ばれるもの対し、内山と徳永により効率的な攻撃法が提案され、その改良が岩見により与えられた。一方、和田等によりこの改良版には論理的飛躍があることが指摘され、さらに、それを正当化したアルゴリズムが提案された。本講演では、内山と徳永及び岩見によるアルゴリズムの実装結果と比較しながら和田等によるアルゴリズムの実装結果について述べる。
10:50 ~ 11:10 ○小椋直樹(首都大学東京), 金山直樹(筑波大学), 内山成憲(首都大学東京), 岡本栄司(筑波大学)
Elliptic Net を用いた Ate ペアリングとその変形
講演内容:
楕円曲線上のペアリングは ID ベース暗号などへの応用を持ち、高速化に関する研究が盛んに進められ、様々な変形が提案されている。ペアリングの計算には Miller のアルゴリズムが用いられてきた。一方、2007 年に Stange により Elliptic Net と呼ばれる写像を用いてTate ペアリングを計算する新しい方法が示された。本講演では、Elliptic Net を用いた Ate ペアリング及びその変形に対する詳しい公式を与える。また、実装についても述べる。
11:10 ~ 11:30 ○光成滋生(サイボウズ・ラボ(株)), 岡本栄司(筑波大学), Francisco Rodriguez-Henriquez(Instituto Politecnico Nacional), 照屋唯紀(筑波 大学)
BN曲線上のOptimal Ateペアリングの高速なソフトウェア実装
講演内容:
Barreto-Naehrig曲線上のoptimal ateペアリングの高速なソフトウェア実装の設計について述べる.我々の実装は254bit素数の体上のoptimal ateペアリングをIntel Core i7 2.8GHzプロセッサ上で,2.63Mクロックサイクルで計算できる.標数はp = 36t4 + 36t3 + 24t2 + 6t + 1, t = 262 - 254 + 244を用いた.この速度を達成するためにその基礎体に合わせたモンゴメリ乗算を設計,実装した.

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