アブストラクト

講演題目:p-kernels and p-divisible groups of principally polarized abelian varieties
原下秀士(北海道大学大学院理学研究院数学部門 学振 PD)
アブストラクト:正標数の体上の主偏極アーベル多様体のp 倍写像の核の群スキーム構造からp-可除群の同種類がどの程度決定できるかについてお話ししたいと思います。 主結果はその起こりうる同種類の(自然な順序に関する)最良の上限を決めるアルゴリズムを与えます。このアルゴリズムは純組合せ論的で計算機で実現できます。 講演ではこのアルゴリズムと証明の背景にある組み合わせ論を中心にお話ししたいと思います。また、結果自体を利用した応用例なども触れられればと思っています。

講演題目:Grantham's problem
篠原直行(九州大学大学院 D3)
アブストラクト:Grantham が提案した"合成数 $n$ で $n \equiv 2,3 \pmod{5}$, かつ $f(x)=x^2-5x+5$ に対して Frobenius pseudoprime となるものは存在するか?" という問題があります. 合成数が相異なる2つの奇素数の積である場合に,この問題を考えた結果を報告します .

講演題目:種数2の超楕円曲線の 2冪ねじれ点の計算について
小崎 俊二(情報セキュリティ大学院大学 ), 松尾 和人(情報セキュリティ大学院大学)
アブストラクト:GaudryとHarleyにより提案された種数2の超楕円曲線の Schoofアルゴリズムは2冪ねじれ点を利用する。この2冪ねじれ点計算に関し、 GaudryとSchostにより2ねじれ点の作用を用いた高速アルゴリズムが提案された。 本講演では、この 2冪ねじれ点計算アルゴリズムの、 実験により得られた知見に基づいた改良について述べる。


講演題目:素数生成のための一次式に関する実験的検討
林彬(金沢工大)、高波久生(金沢工大)アブストラクト:
暗号に多用される大きな素数を効率よくする生成することを狙う。 そのためax+1で表わされる乱数を生成しこれを素数判定する。 通常の乱数xによるよりも効率がよいのかどうか。結論として aが素数階乗のとき素数である確率が大きくなる。 これは数論における既知の事実らしいがその実験的検証と考えられる。 確率の上昇即時間短縮ではないが時間的改善度も交えて実験結果をお話したい。 併せ数学者のお知恵を拝借したい。

講演題目: SL(2, Z)に関するアイゼンシュタイン級数の零点の性質
野崎寛(九州大学数理学府 学振 DC1)
アブストラクト:モジュラー群SL(2, Z)に関するアイゼンシュタイン級数の基本領域上の零点は、 単位円周上にすべて配置されることがF.RankinとSwinnerton−Dyerにより証明されている(1970)。モジュラー形式の零点でこのように零点が円周上にある場合が他にもあるが、 それらの関係性は良く分かっていない。今回はウエイトkのアイゼンシュタイン級数 $E_{K}(e^{i\theta})$の零点(\pi/2<\theta<2\pi/3)が、E_{k+12}(e^{i \theta})の連続する零点の間に必ず一つ存在していることを証明した。これは Rankinたちの仕事より強い結果であると言える。


講演題目:Factorization of Square-Free Integers with High Bits Known
◎Santoso Bagus(The University of Electro-Communications),Noboru Kunihiro(The University of Electro-Communications), Naoki Kanayama(University of Tsukuba), Kazuo Ohta(The University of Electro-Communications)
アブストラクト:In this paper we propose an algorithm of factoring any integer N which has k different prime factors with the same bit-length, when (1/(k+2)+\epsilon/k(k-1)) log N high-order bits of each prime factor are given. For a fixed \epsilon, the running time of our algorithm is heuristic polynomial in (logN). Our factoring algorithm is based on a new lattice-based algorithm of solving any k-variate polynomial equation over Z, which might be independent interest.

講演題目:Deterministic Equivalence between Factoringand Key-Recovery Attack on Takagi's RSA
◎Noboru Kunihiro(The University of Electro-Communications),Kaoru Kurosawa(Ibaragi University)
アブストラクト:For RSA, May showed a deterministic equivalence of computing d to factoring N(= pq). On the other hand, Takagi showed a variant of RSA such that the decryption algorithm is faster than the standard RSA, where N = p^rq while ed = 1 mod (p-1)(q-1). In this paper, we show that a deterministic equivalence also holds in this variant. The coefficient matrix T to which LLL algorithm is applied is no longer lower triangular, and hence we develop a new technique to overcome this problem.