日本応用数理学会研究部会連合発表会
「数論アルゴリズムとその応用」研究部会セッション

日時
2005年3月5日(土) 15:00 〜 17:00
会場
京都大学 芝蘭(しらん)会館 稲盛ホール
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参加費
応用数理学会員無料,非会員1,000円
講演 講演資料
15:00 〜 15:25 金山 直樹 (電通大,学振), 宮永 望,小宮山 雄木 (早大), 内山 成憲 (NTT)
   LLL アルゴリズムを用いた Coppersmith アルゴリズムについ て
アブストラクト: Coppersmith は,素因子が不明な合成数 N を法とした 1変数合同方程式と2変数の整数係数方程式を,LLL アルゴリズム を用いて解く方法を提案し,その応用として RSA 暗号で用いられて いる N = PQ 型の合成数を,P(又はQ)のビットの上位半分が与えられ ている条件の下で,N のビット長の多項式時間で素因数分解できる事 を示した。本講演では,N = P^rQ 型の合成数について,同様の条件 の下での素因数分解アルゴリズムについて述べる。

15:25 〜 15:50 Christine Abegail M. Antonio (上智大)
   On the Computation of the Group Structure of the Jacobian of Some Hyperelliptic Curve Over Several F_p
アブストラクト: This talk presents a method on how to count the number of elements of the Jacobian of hyperelliptic curves over prime finite fields and an algorithm on how to perform group operations in the Jacobian. This algorithm will help us finding the group structure of the Jacobian of hyperelliptic curves over F_p. To test the efficiency of the algorithm, we apply it to the genus 2 hyperelliptic curve v^2 + uv = u^5 + 5u^4 + 6u^2 + u over several F_p.

16:00 〜 17:00 岡崎 龍太郎 (同志社大)
(招待講演) Diophantus 近似と不定方程式入門
アブストラクト: 実数 αを分数 p/q で近似する近似をDiophantus近似と呼ぶ. 連分数を使うと最良近似と呼ばれる近似の無限列が計算できる: | α - p/q | <1/ q^ 2. 例外的な一部の実数は | α - p/ q | が 1/ q^ 2 より 小さなオーダーになる様な整数 ( p, q) の無限列を持つ. しかし,ほとんど全ての実数については 1/ q^ 2 のオーダーの 近似しかできない. 一方,不定方程式( diophantus 方程式)は整数変数の方程式である. pell 方程式や thue 方程式が代表である. pell 方程式は x^ 2 - d y^ 2="1" の形の方程式であり, thue 方程式は 3 次以上の整数係数斉次多項式 f ( x, y) と 0 以 外の整数 c によって f( x, y) = c と書かれる方程式である. 次数が違うだけの様だが, pell 方程式は無限個の解を持ち, thue 方程式の解は有限個であり,大きく性質が異なっている. この 2種類の方程式を題材にして, diophantus 近似と不定方程 式の関わりを概説する.また, thue 方程式を解くために使われ る baker theory にも触れる.< br>
問い合わせ先
内山 成憲 (NTT 情報流通プラットフォーム研究所)

最終更新日: 2005.2.28
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