「多変数公開鍵暗号について -- 基礎から最近の話題まで --」
9:20 〜 10:20 只木 孝太郎(中央大学研究開発機構) 多変数公開鍵暗号とグレブナ基底計算 講演内容: 多変数公開鍵暗号は、連立代数方程式の求解というNP完全問題に 安全性の根拠を求めようとする公開鍵暗号方式であり、耐量子コンピュータ公 開鍵暗号の候補として、近年盛んに研究が進められている。本発表では、多変 数公開鍵暗号の基本事項から説き起こし、松本-今井暗号、HFE、順序解法など いつくかの具体的実現方式について概観する。多変数公開鍵暗号に対する汎用 的攻撃法としては、公開鍵のグレブナ基底計算に基づく方法が、その簡明さゆ えに現在標準的である。本発表の後半では、グレブナ基底の理論の基礎につい て概説した上、多変数公開鍵暗号解読へのその応用について説明する。
10:30 〜 11:30
秋山 浩一郎 ((株)東芝 研究開発センター)
代数曲面の求セクション問題を利用した公開鍵暗号について
講演内容: 代数曲面の求セクション問題に安全性の根拠を求める公開鍵暗号
(代数曲面暗号)は量子計算機出現以降でも安全性を保つことができる公開鍵
暗号を目指して研究が進められている新しい公開鍵暗号である。本講演では
代数曲面暗号の概要と研究の経緯を外観するとともに多変数公開鍵暗号との
関係についても述べる。